「正しいことをやろうとして失敗したり混乱を起こしても仕方が無い」というスタンスは、政治家と言うより活動家の生き方

 政治は結果。それだけのこと。結果に責任を取れない活動家や思想家は、常に野に在るべし。それが市民のため、自分自身のためだ。

 今回当選した西平氏も、政治に目覚めたきっかけは、障害を持った息子のあり様を竹原前市長に「間接的に揶揄された」と感じたこと。竹原氏とはベクトルと目的が違うだけで、その本質は活動家と言わざるを得ない。

 「倒すべき」ものを失った後、活動家が政治家にクラスチェンジすることの難しさは、フランス革命から日本の民主党政権までその事例には事欠かない。市の停滞を憂いた挙句、市政のTOPから政治家を追い出し、混乱と欺瞞だけを呼び込んだ阿久根市市民。竹原前市長はこれで姿を消すが、市民が2年半前の浅慮のツケを払うことになるのは、むしろこれからだ。

阿久根市長選で「ブログ市長」竹原氏が落選 西平氏が初当選

 竹原信一前市長(51)に対するリコール(解職請求)成立に伴う鹿児島県阿久根市の出直し市長選は16日投開票され、新人で市民団体「阿久根市長リコール委員会」の役員を務めた養鶏業、西平良将氏(37)が、竹原氏を破り初当選した。投票率は82・39%(前回82・59%)。

 先月の市長リコール住民投票に続き竹原氏の市政運営が最大の争点となり、職員ボーナス削減などを専決処分によって断行してきた“竹原流”の手法に改めてノーが突きつけられた。

 西平氏は、竹原氏が進めた行革に一定の理解を示したうえで「大事なのは対立ではなく対話だ」と主張、改革の進め方に批判の的を絞った。ともに市長リコール運動を進めたメンバーが中心になって浸透を図り、長引く市政混乱の収束を求める市民の支持を集めた。

 竹原氏は、持論である「官民格差の是正」を重ねて訴え、自身が進めた改革の意義を強調したが、支持者離れは食い止められなかった。

 竹原氏は平成20年8月に初当選。翌21年4月に不信任決議によって失職したが、同年5月の出直し市長選で再選された。先月5日の住民投票では398票差でリコールが成立し、再び失職していた。

 阿久根市では、反竹原派が多数を占める市議会解散の直接請求(リコール)を目指し、竹原派市議らでつくる市民団体が署名活動を展開。議会解散の是非を問う住民投票が31日告示、2月20日投開票の日程で実施される。

(1月16日 産経新聞)

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