<ジャワ中部地震>3000人超える死者 津波恐れパニック

 【ジョクジャカルタ(ジャワ島中部)井田純】インドネシア・ジャワ島中部で27日早朝に発生した強い地震による被害は、同国社会省の同日夜までのまとめで死者3000人超、負傷者は1万数千人となった。被災地のジョクジャカルタ特別州では発生直後、津波を恐れる住民らが高台に殺到し、一時パニック状態となった。夜になっても下敷きになったまま救出されていない被害者が多い模様だ。家屋を失った人は20万人との情報もあり、同省は犠牲者はさらに増えるとみている。

米地質調査所によると、地震は同日午前5時54分ごろに発生した。地震の規模はマグニチュード(M)6.3と訂正。震源はジョクジャカルタの南約20キロで、震源の深さは約10キロ。地震による津波は確認されていない。

ユドヨノ大統領は地震直後、国軍に負傷者や避難者の早期救助に当たるように指示。自らも視察のため被災地入りした。また同国赤新月社は現地に緊急医療チームを展開している。

一方、外務省などによると、ジョクジャカルタ特別州在住の日本人91人中85人の安否が夜までに確認された。うち現地居住の日本人女性(39)1人が落下物で頭部に軽いけがを負ったという。

被害が集中しているのは人口約50万人のジョクジャカルタのほか、震源に近いバントゥールなど。多くの住民がレンガ造りの簡易な建物に居住しており、倒壊した建物の下敷きになった。各地で水道や電気の供給が停止した。ジョクジャカルタ空港も滑走路や建物が損傷して閉鎖され、主要道路もひび割れで段差が生じるなど、物資輸送に影響が出ている。

ジョクジャカルタはジャワの古都として知られ、近くには世界遺産の仏教遺跡ボロブドゥールやヒンズー教寺院群プランバナンなどがあり、世界から多くの観光客が訪れる。今回の地震でプランバナンの建造物の一部に被害が出ている模様だ。

インドネシアでは04年12月、スマトラ沖大地震による大津波が発生し、被災国で計23万人が死亡。05年3月にはニアス島を襲った地震津波で約850人が死亡した。

(毎日新聞) – 5月27日(28日更新)

翌28日には南太平洋のトンガ王国でM6.2、パプアニューギニアでM6.2の地震が発生。もっとも、2004年12月のスマトラ沖大地震とは異なり、今回のジャワ中部地震は阪神大震災と同じ直下型なので、これらの地震と関連している向きは弱いでしょう。ただ、今回の地震と前後して活動を活発化しているムラピ火山については注意が必要かもしれませんね。

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