露大統領、CFE条約履行停止を命令

 現象面だけ見れば、米国のMD東欧配備への対抗の一環という解釈も出来る今回のCFE条約履行停止。本質的に見れば、冷戦終結から20年弱をかけて復活成った「エネルギー大国」ロシアの、覇権国家への再挑戦の意思表明と読み取れる今回の決定。うん、実に面白い。

 まあ、冷戦時と違って下手なイデオロギーが絡まない分、両陣営妥協の余地はそこここにありますけどね>今回。所詮は「War is Business」ですし。第9条を後生大事に奉戴している左巻きのお花畑さんには受け入れ難いかもしれませんが、それが歴史的な事実ないし真実。

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア大統領府報道部は14日、プーチン大統領が欧州における通常兵器の配備や移動などの上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行停止を命じる大統領令に署名したことを明らかにした。欧州における安全保障のカギとなってきた同条約の履行停止をロシアが決めたことで、欧米とロシアの対立がさらに深まる懸念が出てきた。

 ロシア外務省報道官は14日、「同条約の履行を停止したことは、北大西洋条約機構(NATO)側との交渉を停止したということではない」と述べ、NATOとの交渉継続の意向を示した。しかし、ロシアが一方的に履行停止したことで、軍事視察団の受け入れや露軍の活動に関する情報提供も中止されることになり、欧州の不安定化を招く恐れも出てきた。

 NATO報道官はこれに対し、「履行停止の決定が確認されれば、非常に残念だ。同条約は、欧州安保の要である」とのコメントを出した。

 ロシア側は、ソ連崩壊直前の1990年に調印された同条約がすでに実態に即していないとして改訂を要求。プーチン大統領は、米国の東欧でのミサイル防衛(MD)配備計画やNATOによる「一方的な軍備拡張」などに強く反発、CFE脱退を警告してきた。

(7月14日 産経新聞)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です